ミチコのブログ
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  2006年 1月 21日 (土)

アメリカ旅行記・・・遅くなったけど・・・


去年のことになってしまいましたが・・・
お約束のアメリカ東海岸美術館巡りの旅行記です。
東海岸の美術館に興味がある方に 少しでもお役に立てれば。


10/7 成田からデトロイトへ飛びました。
デトロイトから そのままワシントンへ乗り継いで移動する筈が
強風のため乗り継ぎ便が欠航 デトロイトで足止め。
ワシントン入りは翌日・・・。
ハリケーン被害と言い アメリカの天候は落ち着かない状態でした。
デトロイトでの宿泊は それでも何とかシェラトンが取れましたが
食事が・・・(T_T)・・・空港で待つだけ待ったため ホテル到着が
遅かったのです。ホテル内では もう簡単なものしか作れない、とのこと・・・。機内食の最後はチキンカレーだったのに ホテルでもチキン。
デトロイトは学校の社会でも習ったとおり観光地ではない、明日早朝の
移動の為、空港側の立地のホテルにしたので当然、近くに適当な
レストランもない。泣く泣く チキンな一日を過ごしました。
デトロイト経由便は注意してくださいねー。

10/8 やっとワシントン入り・・・。
あの有名なポトマック川の桜を横目に私は一人、別行動となり
ナショナルギャラリーへタクシーを走らせました。
ホワイトハウスもアーリントン墓地も眼中になし。

本当なら てくてく歩きたかったのですが そんなことは言ってられない
暴風雨・・・傘もひっくり返る。
流石、ナショナルギャラリー 入場料はfree(^_^)v
日本人好みの印象派の品揃えは豊富。
モネは日傘をさす女の振り向きバージョン・・・これはパリで見た日傘ものの反対向き(^_^)v そっか、こちら向きはこうなのね、とニコニコ。
ターナーは あの大火災を観る前のウォーミングアップ的に月明かりに石炭を積み込む水夫たちの ターナーお得意の大気の表現に涙目・・・。
青の時代のピカソあり、セザンヌは脱印象派までの作品群。
キーボードにあらゆる音楽の音が含まれるように 自然には色彩や形の上で
あらゆる絵画の要素が含まれていると語ったホイッスラーのまるで
雪に煙るようなチェルシー埠頭。同時代のホイッスラーが白なら ベラスケスに傾倒?敬愛?のマネは 黒の色調。クールベの反アカデミズなリアリズムが
あれば ロマン主義とリアリズムの中間派?のコローが・・・。
ドラクロワの あのトラも寝ていましたし・・・。
フェルメールは やっとやっと本物の例の黄色の着衣、手紙を書く女性。
ルーベンスは ライオンたちとダニエルの あの絵。
一匹狼だったグレコは唯一の神話主題の ラオコオン\(◎o◎)/!
テッツアーノ、ラファエロ、ダ・ヴィンチ、ボッティチェリ、リッピ・・・
もうもう 本当にこれだけのコレクションを海外ならではの
間近で観られることに感謝感謝でした。
一日じゃ足りません・・・ナショナルギャラリーで感涙していたら
フィリップコレクションに行けなくなりました・・・。
大大大失敗・・・(T_T)。
フィリップコレクションには オキーフのレッド・ヒルとか青のピカソ、
モディリアーニ、ルドンがあったんです・・・。
ちゃんと飛行機さえ飛んでいれば・・・(>_<)・・・・。

10/9 後ろ髪引かれながらワシントンからフィラデルフィアへ。
速攻、またしても一人別行動。

フィラデルフィアは合衆国誕生の地と社会で習いましたが
世界遺産となっている独立歴史公園に その象徴の自由の鐘も 
ジェフーソン起草の独立宣言採択、憲法制定・・・で知られる
皆さんも社会科の教科書で写真を見ている独立記念館も
やっぱり 私には興味なし。

フィラデルフィア美術館へまっしぐら〜。ここは入場料は志。私は$5。
この美術館は 映画 ロッキーで あの俳優さんがランニングして
両手を挙げて奮起する場面で映っていたはずの美術館。
ここでは このあと廻ったバーンズにもあるセザンヌの大水浴を目指す。
この大水浴は三枚あって こことバーンズ、そしてロンドン・ナショナル
ギャラリーの其々に一枚ずつ。セザンヌは絵画通念の現実再現を打破。
フォービズムの旗手マティス、ダダの代表的作家デュシャン、勿論、
ピカソも セザンヌから影響を受けているんですから
(ここはピカソが多いです)
それらの作品が 一堂に会して観られるんですよ。すごいことです。
シャガールの 緑の顔の詩人もあります♪ゴッホのひまわりのひとつも
あります。ルーベンス、ルソーは皆さんご存知の プロメテウス、
カーニバルの夕べがあるので親しみやすいかも。
私にとっての フィラデルフィアの目的は 大水浴のほかに三つ。
ターナーの国会議事堂の火事・・・涙でました・・・。
ワイエスは あの 海からの風の絵じゃなかったけれど 構図は窓、の
聖燭節がありました。
空気、大気を描ける画家の第一人者です。絶対です。
そして ムンク。例のものではありません。
ムンクは とても綺麗な色を出すし 情感溢れるモチーフものもある
画家なんですが どうしても あれ、が一人歩きしていて残念です。
ここでの事件は あまり好みではなかったクレーが好きになったこと。
魚の魔術という大作でしたが 黒の背景に極彩色、何処かの南の島の
深い深い夜のようで見飽きなかったです・・・。

さてさて 名残惜しいのは山々ですが バーンズコレクションへ
大急ぎで向かいました。ここで 今回の旅行のパトロネス (^_^)v
愛する母と合流・・・なのに 待てど暮らせど母は現われない・・・。
バーンズのお庭はリスが沢山いて それなりに時間は潰せましたが
こんなことなら フィラデルフィア美術館にもう少し長く居ればよかった、
なんて思ったりしましたが 何ていってもパトロネスですから(^^ゞ
文句は言いません、言えません・・・。
母は もう今年になりましたが六月に とあるお仕事でフィラデルフィア
再訪なので それにまた鞄持ち兼なんちゃって通訳で同伴したい私は
お仕事で使えそうなレストランを見てたのよ、の一言で
平気、平気(^_^)v全然、待ってない♪と大嘘をつきました。
で・・・
バーンズは日本での巡回展で観ている物はとばすように観ました。
セザンヌの二枚目の大水浴、スーラのあの傑作 グラン・ジャット島のものを
借景?として描いているポーズする女たち、マティスの これまた有名な
連作ダンスの出発点となった生きる喜び、ピカソはアルルカンあり、
意外にモディリアーニが多かったのは 驚き。

1/10 フィラデルフィアから一路、ニューヨークへ。
ダコタハウスを通り過ぎ タイムズスクエアではパレードの為、渋滞。
テロ予告があり (^_^)v ふらふらしたい母も一緒に
到着後、さっさと MOMAへ。
ここでの目的は クリムト。嫁入り道具で揃えて貰った あの食器群よりも
世の中、バブッていた頃に買って貰ったけど未だに一度も袖を
通していない 車よりも遥かに高いロングのリンクスキャットちゃんより
引越しの度に それだけは保険を掛けている屏風・・・それが
クリムトのレプリカなんです・・・(T_T)・・・引越し業者さんでも
二人抱えじゃないと持てない位の重さがあるのですが 別に
値が張るわけではないのです(^^ゞ。
ただ ただ 大事なんです。物より思い出、思い入れ。そうそう(^_^)v
本当は ウィーンへ行って クリムトに埋もれたいのですが・・・
MOMAで 初クリムト現物でしたーーーー。希望Uという絵。
この人の線は細いのに でもしっかりしていて ひたすら美しい構図と配色。
そして ワイエスの 荒野と女性、
オランジェリーで観たものとは また色調の違うモネの
睡蓮大作三枚のみの部屋。
そして ピカソにしても どうしても青に惹かれる私。
ゴッホは 露出度高すぎる あのひまわりよりも この星月夜。
MOMAは やっぱり名前のまま 近代主体。クリムトとの対面を果たして
興奮冷めやらず ポカポカと温かくなって 少し熱冷ましに出た中庭で
美術館の警備の人と パキスタン地震のことをお喋りして 二人でしんみり。
被害者数が どんどん増えていく・・・と きっと中東系の彼が
本当に悲しがっていたのが今も心に残っています。

10/11 ニューヨーク二日目。
またしても別行動。
朝、起きたら そのままメトロポリタンへ。
メトロポリタンは案内役・・・なんて失礼千万なんですが・・・
現地では当然、日本でも個展を開いてらっしゃる画家の富永氏。
現役作家からの視点はもとより 歴史的背景、モチーフについての説明、
スキャンダラスな逸話を交えての解説は トレビアーン\(◎o◎)/!
母と二人で あっという間にファンになっちゃって
帰国後、母は 富永氏のtimelyな日本での個展に出掛けて行きました。

最初に探したのは サージェントのマダムX。
そしてグランド・オダリスクで周知のアングルが描いたブロイ公妃。
このブロイ公妃なんて 反ロマン主義とは言われながらも私には
オダリスク然り 十分にオリエンタリズム的主題でロマン派の匂いを
すーっと嗅げる様でした。うん。
青の時代ではなく ここではバラ色の時代の繰り返しと評された
ピカソの珍しい白主体の まさに白い服の女もあり。
クリムトから影響を受け 余りにもその時代では?あからさま過ぎる絵を描き
ある事件も重なり、不名誉な烙印を押されたシーレの自虐的な自画像は
切なすぎるほどの 何かを訴えるかのような表現力で圧倒されました。
ボッティチェリの受胎告知は ここにあります。
マティスのダンス連作の一作目も ここ。
フェルメールは勿論、黄色の着衣のものあり(^_^)v
そして ゴッホは 悲しみのひまわり!この絵の方が情緒あるのになぁ。

ティファニーのステンドグラス、フランクロイドライトの部屋も
素敵でした。ステンドグラスは レプリカのミニチュア版を購入。

メトロポリタンも一日じゃ とてもじゃないが時間が足りません・・・。
今回は 本当に優先順位を決めて走り回りました・・・。
いつか必ず また ゆっくり来ようと祈りながら。

で 今日の大失敗・・・と言うよりも この旅行の大失敗・・・
クリムトの金色、フェルメールの黄色、に続いて 会いたかった一角獣。
メトロポリタンの別館として知る人ぞ知る クロイスターズ。
地下鉄も調べて ドキドキしながら夢に見ていたのに・・・休館・・・
でも その分、メトロポリタンを満喫。
行けなかったクロイスターズに思いを馳せ メトロポリタンでは
会いたかった一角獣モチーフのブックマークを購入。

10/12 ニューヨークから 今度は紅葉狩りリクエストの母に従い
ハドソン河渓谷沿いをドライブでバークシャー地方まで。
途中、ノーマン・ロックウェル美術館に立ち寄りました。
ロックウェルにはさほど興味はなかったのですが
4freedomと題された四つの連作 4つのfreedomは 
fear speech worship wants それぞれからのfreedom。
大戦中に掲載されていたサタデー・イブニング・ポストの表紙絵も
戦争を煽ったり 英雄視するものはなく 憂いてるものばかりでした。
へー・・・と素直に感動しました。

10/13 バークシャーから紅葉景勝道路モホークトレイルを走り
ホワイトマウンテンへ。
寒くて寒くて・・・紅葉は北海道の方がきれいよ・・・

10/14 寒い寒いホワイトマウンテンから さくさくと脱出。
ボストンへ。
途中、コンコードで オルコット・・・若草物語の作者・・・のお家へ。
コンコードでは独立戦争の火付けとなったオールドノース橋も
一応、見物。
ボストンは 古い町並みが晩秋の佇まいに これ以上はないほど
しっくりと しっとりと映えていました。
道の両脇に軒を並べるお店も 多分、多くは昔からの外観のまま。
お買い物には興味ゼロですが ここに来て初めてアメリカの地で
日本でもしない ウィンドーショッピングなるものをしたくなりました。
・・・しなかったけどね・・・(^^ゞ。
物より思い出、思い出。でも 母は ふらふらしたかったようだ・・・。
ニューヨークでも 母からは そんなオーラが出ていた・・・。
それは 姉とお出掛けの時に発散してねと 気付かない振りをしました。
だってねー ボストンは やっぱりボストン美術館じゃない!!

でも ボストンは町並みが気に入ったので♪
ハーバード大学に裏口から入ってきました。大学生協で傘とパーカーを購入。
ボストンも生憎の雨模様だったので 構内も さらさらっと
通り抜けただけでしたが お天気が良ければ 簡単な軽食片手に
ゆっくりお散歩したら とびきり(^O^)楽しいだろうなぁ、と言う感じ。
お薦め。

ボストン美術館。
これも日本で巡回展していますから 観たかったものをメインに。
モネは 日本娘、彼にしては明確な色彩で戸惑う人もいるかも知れませんが
着物は綺麗な彩色です。
ゴーギャンの超有名な 我々はどこから来た、我々は何者か、我々は
どこへ行くのか の大作あり。
ここもまた 一日では無理ですね。
でも ボストンもまた 必ず再訪しようと思うので
今回、予定に組み込まなかったガードナー美術館も行こう!と勝手に
決心しました。


大体、こんな感じですね。
滞在中、一番、美味しかったのは最終日に皇太子も絶賛?したという
ボストン名門レストラン Anthnypire4 で食べたロブスター君。
ワインも美味しくて 夜景もきれいで お薦め。
ほかでは ワシントンのポトマック河側のTony&Joe'sの
クラブスープも 日本人好みの味。
フィラデルフィアの Postano Coastのペンネは 本場イタリアンで驚愕。
美味しい♪
ニューヨークは ミーハーでしたが・・・(^^ゞ有名人御用達
Dynastyの中華に行ってみました。美味しかったけど
母には はじめのスープが辛すぎたらしくて・・・私的にはお薦めよ。


アメリカって 正直、惹かれないのです。
でも 今回、美術館を辿りながら思いました。
やっぱり 大きな国だな、と。
ソフト、ハード 両面で折に触れ その大きさに感じ入りました。
たまに F○ck!と思う場面もありましたが
それでも 観るべきものを沢山 持っているんだなぁと・・・。

6月、鞄持ちで また連れて行ってもらえるように 祈る毎日です。

写真は お散歩の途中 オープンエアのカフェでサンドイッチを食べてたら
狙ってきた ふくら雀さん。
場所は ニューヨーク セントラルパーク。










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