日本口唇口蓋裂活動 建設省(件:国土交通省)第3セクター件案
写真:2000/12/31バガンパゴタ薄暮
ミャンマー連邦国専門家派遣事業
− 地方病院建設プラン作成における現地医療事情調査 −
 このミッションは救急態勢の遅れが顕著で、かつ人口及び移民増加に対するミャンマー国内での、医療事情を把握し各中核都市への救急センター設立プラン作成を目的として実施されました。

 現地での調査は具体的には、対象プロジェクトの概要把握を目的とする評価作業のための基本データの収集でした。
 調査地域は6県庁もしくは、州都所在地の中核病院および保健センターなど地域保健に関与する施設でした。調査期間は移動も含め2000年12月14日〜2001年1月22日、調査団体はフィールドスタッフとして対象国保健省スタッフおよび通訳各1名、日本人専門家としては中部電力株式会社、TSEカンパニーから専門家各1名ずつ、日本口唇口蓋裂協会からコーディネーターが一名の総勢6名でした。
 対象プロジェクトの概要把握は別紙概要表を埋めながら実施しました。しかし、対象国では地域により居住民族や情報網、インフラ整備の違い等が存在し、データの収集にあたって地域格差をなくすことに努力しました。更にプロジェクト立案に向け地元ニーズを的確に判断し、プロジェクトが実施された場合に的確な運営管理が行われる体制かどうか、また適正な技術を持ち合わせ受益者にとり維持可能であり波及効果があるかどうかもあわせて聞き取りを実施しました。

 対象国での調査を終え概観すると対象国内では各地域はプロジェクトの目的が明確でしたので その必然性・必要性を対象機関スタッフには説明しやすく調査は比較的スムーズに実施できました。
 その結果、対象国での首都を除く各地域では救命医療へのニーズはあるが物資、資金面での困難があり十分な医療が実施されていませんでした。医療スタッフの教育は非常にきめ細かく実施さ れ、病院内での組織・命令系統も統一されており僻地保健センターへもエキスパートが派遣されるなど医療における地域格差の是正を心掛けていて、不十分な設備や機材不足を補うべく努力しています。マンパワーの技術的側面も他国への留学を含め問題がなく、看護学校や医科歯科大学の新規設立も計画されており、数的な人材養成も考慮されています。

<現地での反響>
 全被調査施設において救命医療に関しては、スタッフと住民の双方にニーズがあり、この調査団に対し面談した方々は非常に好意的かつ協力的でしたので、彼らの対応からこのプロジェクトの実施を切望していることが伺えました。対象国では現在も当国の抱える政治的側面により先進国から経済制裁を受けており、その制裁による影響はこうした地域での医療現場にも如実に顕れているため、現地では医師らが直接、外来診療を中断する、手術時間をずらすなどしてまで調査に随行しその窮状と必要性を訴えてきました。別紙データからも客観的にそのニーズを窺い知れます。

<今後の課題等>
 この調査により対象国では医療面において施設、設備関係が押しなべて老朽化しており、人材が揃っていながら人命を救えない、早急に対応できないという問題点が浮き彫りとなりました。その問題点は全調査地域に当てはまるため、今後も各地域に医療が行き渡るよう継続的かつ偏りのない支援が必要であると思われます。プライオリティーはつけ難かったです。さらに今回の調査により対象国での人口増加問題、エイズの蔓延、電気設備、水質管理にも問題があることが判明しました。これらに関しても援助が必要でしょう。


調 査 行 程 [平成12年12月14日〜平成13年1月22日(40日間)]

日 程 スケジュール・ 対応者等
12月 14日(木) 名古屋→バンコク→ヤンゴン移動空路
15日(金) ミャンマー電力省訪問・調査協力要請ミャンマー医療省訪問・調査行程打合せティ・トン大臣代理他ティン・ウィン・マ保健局長他
16日(土) ヤンゴン→ヘーホー移動  ヘーホー→タァゥンヂー移動空路(バガン経由)[730km]陸路[35km]
17日(日) サオ・サン・タン病院訪問・関係者と質疑応答、技術調査ティン・ウィン・マ保健局長他
18日(月) タァゥンヂー母子病院訪問・関係者と質疑応答、技術調査ミャンマー電力公社(MEPE)シャン州支店訪問・関係者と質疑応答、33kV変電所視察ティン・ウィン・マ保健局長他ウー・サンミン副支店長他
19日(火) タァゥンヂー郡区病院訪問・関係者と質疑応答、技術調査シャーレー医療出張所訪問・関係者と質疑応答、技術調査シェ・ヤン派出病院訪問・関係者と質疑応答、技術調査ティン・ウィン・マ保健局長他
20日(水) タァゥンヂー→カロー移動カロー市民病院訪問・関係者と質疑応答、技術調査カロー→メイッティーラ移動陸路[70km]ティン・ウィン・マ保健局長ユント・ライ院長他陸路[120km]
21日(木) メイッティーラ地域病院訪問・関係者と質疑応答、技術調査サイ・サン・ウィン保健局副局長他
22日(金)
23日(土) メイッティーラ→マグェ移動陸路[200km]
24日(日) 休日
25日(月) マグェ総合病院訪問・関係者と質疑応答、技術調査タン・ウェイ院長ウ・サウ・ウィンMEPE技師他
26日(火) ミシャンジ地方病院訪問・関係者と質疑応答、技術調査ラ・ペー医療省次官他
27日(水) マグェ→パコック移動陸路、フェリー[190km]
28日(木) パコック総合病院訪問・関係者と質疑応答、技術調査サン・ウィン院長ウー・ムェンニョMEPE技師他
29日(金)
30日(土) パコック→ニァゥンウー→バガン移動陸路、フェリー[190km]
31日(日) 休日
1月 1日(祝) 休日
2日(火) バガン→ヤンゴン移動空路(マンダレー経由)[690km]
3日(水) 新ヤンゴン総合病院訪問・関係者と質疑応答、技術調査サイ・サン・ウィン保健局副局長
4日(木) MEPE技師と質疑応答ウー・ハン・ゾー技師
5日(金) JCPF夏目理事他と打ち合わせ医療省訪問・調査経過報告等耳鼻科病院訪問・関係者と質疑応答、技術調査等日本大使館訪問・調査経過報告等キョン・ミン医療省副大臣他橋本2等書記官
6日(土) 医療省医療科学局訪問・関係者と質疑応答等僧侶病院訪問・院内視察等ヤンゴン総合病院訪問・院内視察等ミャー・トーマンダレー歯科大学長他タルク・ワン院長他
7日(日) 休日
8日(祝) ヤンゴン→マンダレー移動マンダレー→モンユワ移動空路(ヘーホー経由)[650km]陸路[140km]
9日(火) モンユワ総合病院訪問・関係者と質疑応答、技術調査ティン・タン院長他
10日(水) モンユワ→マンダレー移動陸路[140km]
11日(木) MEPE技師と質疑応答ウー・ハン・ゾー技師
12日(金) マンダレー総合病院訪問・関係者と質疑応答、技術調査マンダレー教育病院訪問・関係者と質疑応答、技術調査マンダレー歯科大学(建設中)訪問・関係者と質疑応答、技術調査ニュー・ウェル院長他ミャー・トー大学長他
13日(土) マンダレー→ヤンゴン移動空路[650km]
14日(日) 休日
15日(月) MEPE本社訪問・関係者と質疑応答アウン・カイン取締役アウン・タン・ウ上級技師
16日(火) ヤンゴン→スィッドェ移動空路[640km]
17日(水) スィッドェ総合病院訪問・関係者と質疑応答、技術調査MEPEスィッドェ支店訪問・関係者と質疑応答ヤンゴン歯科大学コ・コ・マ教授他タン・ナイン支店長
18日(木) 休日
19日(金) スィッドェ→ヤンゴン移動空路[640km]
20日(土) 帰国準備
21日(日) ヤンゴン→バンコク移動空路(機中泊)
22日(月) バンコク→名古屋移動空路


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