クリスマス・・・・ ここコスラエは敬虔なクリスチャンの州です。 意外だと思われる方が多いかもしれませんが そのクリスチャンである歴史は長いのです。 昔は捕鯨基地、そして海賊の基地として栄えた島です。 以前、レラルーインをご紹介しましたが この島は 遺跡が物語るとおり 王が存在し いわゆる貴族封建制度で 成り立っていました。その時代の流れの中で 南の島にありがちな 西欧諸国による植民地化の嵐が ここにも吹き荒れました。 様々な国からの侵入者(?)たちは 様々な病気も持ち込んでしまいました。 それらの感染症などにより その当時、5000人いた島民は 何と300人ほどまで激減しました。 島民達の悲しみ、混乱は想像に難くありません。そのため 1800年代半ばに 救済も含め宣教師達が コスラエを訪れるようになりました。 島民達にとって 宣教師達は神そのもののように映ったのかもしれません。 宣教師達は 犯罪者や浮浪者など 悪影響を及ぼす人間達を追放したのです。 そして 島民の人口も回復してきました。そうなると・・・・当然のように 彼等は その宣教師達の薦めるキリスト教に心酔していったのです。 悲しい歴史から 信仰し始めた宗教ですから 根強いものがあります。 州民の殆どが 皆、宗派こそ違え クリスチャンです。 毎週日曜日には 必ず礼拝に行き、食事はココナツ粥となります。 しかも、日曜は安息日!いくらお天気が良くても 海水浴なんてもってのほか、 静かに静かに お家で過ごします。普段は元気な子供達も少し、大人しくなります。 お酒を飲むことも禁じられており 日曜の飲酒が見つかると・・・刑務所です。 日常的には 喫煙、飲酒は違法ではありませんが 年長者の前では ”吸わない、飲まない”という風潮があります。皆、守っています。よって、 家で晩酌は 不可能です。 ここで はっきりと日本との違いが分かります。年長者を敬う、親の言うことを聞く、 風習にきちんと 意味を見つけ従い受け入れる、・・・・今時の日本の中高生に爪の垢を 煎じて飲ませたい!!と思ってしまいます・・・・。 さて、そんな敬虔なクリスチャンの彼等のクリスマス。大騒ぎです。 一ヶ月以上前から 各教会毎に 幾つかの組をつくります。 (私のホストファミリーは 四組でした。)そして その組毎に マーチと歌の練習を 毎夜、行います。11:00すぎまで 練習が長引くときもあるんです。平日なのに・・・。 マーチは 行進とは違い 歌を歌いながらのホーメーションです。 毎年、各組、趣向を凝らしたホーメーションを考えるそうです。 クリスマス当日には 頭の先から足まで 飾り、衣装、サンダル全て 各組毎に揃えます。これも 毎年、変えるそうです。 ここまでくると 本当に 一大イベントです。 クリスマス当日、朝10:00から 各組のマーチが教会で行われます。 お昼をはさみ 延々、夕方4:00頃まで続きます。 歌も完全なアカペラ、しかもソプラノ、アルト、テノール、バスの四重唱。 圧巻です。私は 音痴なので ひたすら感動していました。 一組ずつ終了し 退場する際、キャンディーやらチョコを観客に投げます。 あたると痛いです。時々、オレンジや大きいものが飛んできます。 痛いです。オレンジをなげたのは 他でもない隊員の一人でした。 隊員達は 私を除き皆、マーチに参加しました。私も来年は挑戦しようと思います。 お家でのクリスマスは はっきり言って・・・何回もあります。 職場でも 何回もクリスマスパーティーがあります。 年が明けても クリスマスパーティーです。年末年始、仕事になりません。 子供達のクリスマスは 31日、大晦日にします。 親戚中の子供達と母親達が集い、家族毎に歌を披露し プレゼントの交換、 ご馳走を食べます。このとき、父親達は 何故か・・・登場しません。 父親達は 豚を焼いたり・・・裏方に徹します。んー、父親だ!と感心しました。 父親達は 前夜から準備に勤しみます。 30日の夜更け、ピギーという鳴き声に何事かと思い 外に出ると 豚を絞めているとこでした・・・教会への進物、子供のパーティー用に この夜は 豚の鳴き声が 大袈裟でなく島中で聞かれました。 豚を絞めるのは 男の仕事だそうで 中学生くらいの男の子に少しずつ 教えていました。その風景もまた、日本では昨今、見られなくなった姿です。 お父さんや叔父さんたちが 風習を廃れさせず 次世代に きちんと受け継がせる その姿勢は見ていて気持ちのいいものです。 パーティーに使う椰子の葉のお皿作りも お父さん達が子供達に教えます。 子供達も ちゃんと覚えようと努力するのです。いい風景です。 日本が無くしてしまった風景を たくさん、見ることが出来ました。 日本にあって他国にないものも 勿論、たくさん、あります。 しかし、他国にあって 日本にないものも たくさん、あります。 無くしては いけないものばかり 日本は 失ってしまったように思います。 日本には 季節毎に 趣のある行事があります。 ページを ご覧頂いている皆さんにお願いがあります。 どうぞ日本の美しい、誇れる行事と その習慣をこの一年、見直して頂けませんか? 後世に 雅な日本を残して下さい。 |