番外編

ヤップ・ディ


ミクロネシア連邦の西端に位置するヤップ州は ヤップ島を中心とし
主要4島と100を超えると言われる小島からなっています。
この島々のなかには外国人立入禁止の島もあります。

この島も、他のミクロネシアの島同様、旧日本軍の前線基地、
旧日本軍の飛行場跡でのスナップ。

島の周囲は 珊瑚礁で囲まれ 近海には 深度8000Mオーバーの
ヤップ海溝があります。
気候は コスラエとは違い 貿易風の影響で割合、安定しており
降雨量も 少な目。

歴史的には インドネシアやフィリピンからの移動民族が起源と言われています。
中世期以降にヨーロッパ人が訪れ 最盛期では約20カ国との交易があり
中国とのナマコ貿易が盛んだったこともあったそうです。
丁度、この時期と重なり ヤップで有名な石貨・・・ストーンマネーを
ヤップ人はカヌーで 500Kmも離れたパラオから 運んでいました。
この石貨を運んだ時代には 如何に ローカルカヌーで
大きな石貨を運べるか、が重要なことだったそうです。

ストーンマネーの価値は 3つの要素で決まります。
ひとつは 磨いてあるか ないか。
次に やはり、大きさ。
そして 最後は実体のない貨幣経済に踊らされている現代人には
耳痛い話ですが・・・どれだけ 苦労して運ばれてきたか。
昔ながらのカヌーで苦労して運ばれたものほど価値があるそうです。
もともと、価値というものは そうした労力に対する価として成り立って
いたのですから この石貨こそが 本当のお金と言えるのかな・・・と
ふと 考えさせられました。

そんなわけで 無理をして 昔ながらのローカル・カヌーに
時には人よりも背丈のある大きすぎる石貨を積んで海の藻屑と消えた方々も
多いそうです。
石貨は 今でも家庭の軒先に飾られており それぞれが権力や
財力の象徴であり続けています。

ヤップは 以前にトピックでの若者の自殺に関しても紹介していますが
未だに 階級制度があり 土地の区分や管理に関し
観光客と言えども 甘えは許されませんから
お家の軒先に石貨があって ちょっと写真撮影したいときにも
当然ですが 許可を取らなければなりません。
これは ちょっとしたビーチも同じで 大体は私有地のビーチなので
お金を払って 使わせてもらうことになります。
ですから ヤップでは なるべくホテルやガイドを通した方が
スムーズに過ごせます。

石貨のお話でもうひとつ ふたつ・・・。
このお金は村事に石貨置き場があり 石貨銀行と呼ばれています。
この銀行がない村は 力がないとか恥になるそうです。
この石貨は 今でも使用されているんです。
大きな買い物・・・例えば 家、土地など・・・・をするとき。

さてさて・・・そんなヤップ州。
伝統を頑なに守り通す彼等の最も伝統的なお祭り、ヤップ・ディ。
毎年3月の第一週に催されます。
これは 普段は一般公開されていない彼等の伝統的ダンスが
見られる機会でもあります。

このお祭りでは ダンスの他、露店が出ます。
高校生達の作った野菜などの即売所、クラフトショップ、食べ物屋さん、
ラバラバと言われる腰巻き売り・・・などなど。
クラフトは コスラエやポンペイとはまたひと味違った大作揃い。
ある食べ物屋さんの屋根にぶら下がっていた黄色の物体、
食べ物なのか気になったので尋ねたところ 顔料でした。
ダンスの時に腕や顔にペイントする 昔から使われているものだそうです。
でも・・・高くて ひとつ $20くらい。

さぁ、メインのダンス。
これは もう 写真を見ていただければ・・・・。
一枚は 思わず目を引いた きれいな女の子。
次に 親子でお揃いが微笑ましかった お母さんとお子ちゃま(上の写真)。
赤ふんどし?の男の子。
そして 高くて買う気が失せた顔料を顔や腕に塗って迫力のダンス風景。
最後は 
キュートなちびっ子達のダンス。


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